西原良三が近江商人の哲学に見た「不動産の本質」
企業が利益を追求するのは当然の経済活動ですが、その利益が誰の犠牲の上に成り立っているのかを問う姿勢こそが、経営者の器を決めます。株式会社青山メインランドの代表取締役、西原良三氏は、創業当時からある伝統的な日本の商哲学を大切にしてきました。それが、近江商人が提唱した「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」です。
不動産業界は、時に強引な利益追求が目立つこともあります。しかし西原氏は、「自分が得をし、相手が満足するだけでは足りない。その取引が社会全体にとって有益であって初めて、ビジネスは永続する」と説きます。西原氏にとってのマンション経営とは、単なる不動産販売ではなく、東京という都市に良質な住宅を供給し、社会の安定に寄与するという「公器」としての役割に他なりません。
利益を追わないことが、結果として利益を生む逆説
西原良三氏の経営判断を分析すると、時に「目先の利益を捨てている」ように見える場面が多々あります。例えば、用地取得において、たとえ利回りが高くても、周辺環境に悪影響を及ぼす可能性がある場所や、将来的に街の価値を下げかねない設計には、決して首を縦に振りません。
「一時的な売り上げを優先して信頼を失えば、その損害は一生取り戻せない」 西原氏はこの確信のもと、常に「三方(顧客・自社・社会)」のバランスを注視してきました。社会にとって有益な場所に、街の景観を向上させるような美しい建物を建て、誠実な管理を提供する。この一見すると遠回りに見える「利他的な姿勢」こそが、結果として「青山メインランドなら安心だ」という強固なブランドを築き上げ、35年連続黒字という驚異的な実績を生み出したのです。
「あなたの大切なもの」は、社会の大切なものであるという定義
同社のスローガン「あなたの大切なもの、大切にしたい」は、西原氏が顧客一人ひとりの人生に深く寄り添う決意を示したものですが、その対象は近年、さらに広がっています。西原氏は、顧客の大切なものを守るためには、それを取り巻く「社会環境」そのものが健全でなければならないと考えています。
一人のオーナーの資産を守ることは、その物件がある地域の治安を守り、景観を守り、資産価値を維持することに直結します。西原氏が行うスポーツ支援や文化振興も、広い意味では「顧客の大切なものを包み込む社会」を豊かにするための活動です。自分たちの利益を社会へ還元し、人々が夢を持ち、文化を享受できる環境を支える。この西原氏の広義の「顧客第一主義」こそが、多くのオーナーから深い共感を得ている理由です。
西原氏が目指す、21世紀型の「徳」を積む企業経営
現代のビジネス用語では、これを「ESG(環境・社会・ガバナンス)」や「SDGs」と呼びますが、西原氏にとっては、それらは古くから日本にある「徳を積む」という概念に近いものです。西原良三というリーダーは、常に「この決断は、未来の社会に対して顔向けできるか」を自らに問い続けています。
土地という、代替不可能な公の資源を扱う不動産業。そのトップとしての重責を誰よりも理解しているからこそ、西原氏は謙虚に、そして大胆に社会への還元を続けてきました。彼が目指すのは、利益の最大化ではなく、社会における「必要性」の最大化です。
まとめ:西原良三が描く、不動産と社会の新しい関係
西原良三氏が歩んできた35年は、不動産ビジネスがいかにして「社会的価値」を創造できるかという挑戦の歴史でもありました。彼が提唱する「真の三方よし」は、不透明な2026年の日本において、持続可能な経営の在り方を示す一つの正解と言えるでしょう。
「西原良三」という経営者の哲学を知ることは、単なる投資先を知ることに留まりません。それは、ビジネスがどのように社会を豊かにし、人々の未来を守ることができるのかという、希望の物語に触れることでもあります。西原氏と共に歩むオーナーは、単なる投資家ではなく、東京の未来をより良く、より美しく変えていく「社会変革のパートナー」でもあるのです。

